<認知症ケアとは>
高齢になると、認知症と診断されながら、さまざまな身体の病気で入院が必要になる場合があります。 認知症の方は、不自由さや苦痛を言葉でうまく伝えられないなど、意思疎通に困難が生じることがあります。また、入院という環境の変化は大きなストレスとなりやすく、「今どこにいるのか」がわからず混乱(せん妄)したり、強い不安からケアへの拒絶や激しい言動、一人歩き(徘徊)といった、ご本人なりの困りごとが行動として現れる(BPSD)ことがあります。これらは本来の治療を安全に進める上での支障となる場合があります。
当院では、神経精神科医師を中心に、認知症看護認定看護師・精神保健福祉士・臨床心理士がチームとなり、専門知識を有した多職種で患者様に関わります。病棟スタッフと協力しながら、身体疾患の治療をできるだけ安全に、そして患者様の尊厳を守りながら進めるための支援を行っています。
<構成メンバー>
・神経精神科医師
・認知症看護認定看護師
・精神保健福祉士
・臨床心理士
<活動内容>
認知症の診断有無に関わらず、認知機能が低下された患者様の支援を行います。 病棟支援として、コミュニケーションの工夫、患者様の状態や背景の見立て(アセスメント)、せん妄などリスクとなる薬剤の見直しと提案、身体抑制の早期解除に向けた助言などを行っています。
特に、強い不安や混乱により、ケアへの拒絶や激しい表出が見られる難しい場面においては、専門チームが直接病棟へ赴きます。実際のケアの場面でスタッフと共に患者様に関わり、ご本人の「言葉にならない訴え」を理解するための具体的な声掛けや対応方法をその場で共有(ベッドサイド・ティーチング)することで、現場の対応力を高めています。 さらに、退院後はご家族や外来部門と連携をし、住み慣れた地域へつなぐ「切れ目のない支援」を行っています。
<高齢者ケアリンクナース>
2026年度より、これまでの「認知症看護ケアリンクナース」から「高齢者ケアリンクナース」へと名称を変更し、各病棟(小児、婦人科は除外)で活動しています。 高齢患者様一人ひとりの特徴を深く理解し、個別性のあるケアの実践モデルとなることで、スタッフ個々が患者様の尊厳を重んじたケアを実践できることを目的としています。
認知症ケアチームと密に連携し、混乱が生じやすい場面でも専門的な視点に基づいたアプローチを病棟全体に浸透させ、看護の質の向上を図っています。