大学院卒業後に2年間の当院独自の診療看護師研修を終え、2020年度より脳神経外科の診療業務に従事しています。
脳神経外科領域での診療看護師の診療対応は、「病棟対応」「緊急対応」「脳血管内撮影・治療対応」の3つに大別されます。
病棟対応では、脳外科特有の疾病や術後管理と感染症や貧血、電解質などの一般内科的な全身管理を行っています。
緊急対応では、患者搬送から状態安定までの直接介助と全身管理を行っています。
脳血管内撮影・治療対応では、入院から退院までの一貫した術前・術中・術後の管理を行っています。
世間一般的な診療看護師のイメージは、「特定行為や医行為ができる看護師」「医師と看護師の中間職」といったものが多いと思います。しかし、実際はそうではありません。
臨床の現場では医師や看護師だけでなく、薬剤師や理学療法師・作業療法師・言語聴覚療法師、栄養師、放射線技師、検査技師、ソーシャルワーカーなどあらゆる職種との連携が必要となります。その連携を円滑にすることで、患者・家族への医療や看護の提供も円滑になります。その連携の中心を担うことが、診療看護師の大きな役割の1つでもあると思います。あらゆる職種との連携のためには、あらゆる多様性と価値観を受け入れられる柔軟性とそれを理解しようとする姿勢が必要不可欠です。
この4年間の診療看護師の実務経験を通して、診療看護師に求められる能力は、医学的知識や技術以上に「コミュニケーション能力」と「ネゴシエーション能力」であることを痛感しました。診療看護師という職種が「あらゆる職種と連携して、患者を看る・診ることができる看護師」のことを示す職種となれるように今後も精進していきていと思います。
